タクシン暫定首相は24日、約二週間前に自分を狙った暗殺計画があるとの情報を得、計画の背後関係に関しても既に承知している事を明らかにした上で、詳細に関しては警察側の捜査結果発表を待って欲しいと語りました。
また、タクシン暫定首相の発言に先立ってスラポン暫定政府報道官は、既に事件の首謀者を含む背後関係を掌握している事を明らかにした上で、24日午後に国内安全保障会議を緊急招集し善後策を協議する方針を明らかにしていました。
尚、逮捕されたタワッチャイ・グリンタナ中尉は、ワンロップ大将付きの運転手だった事は認めたものの、事件との関係に関しては、単に300バーツ(報道により200バーツ)で雇われて現場に行くように言われただけで、爆発物が積んであることは知らなかったと語り暗殺計画との関係を否定しているようです。
一方、首都圏警察本部のウィロート本部長は24日午後、爆発物を積載した車両がタクシン暫定首相が首相官邸に向かう際に使用する路上で発見されていることから、通行中の暫定首相車両を狙った可能性が高いとの認識を示しました。
尚、車のトランクから発見された爆発物は、C4プラスチック爆弾3.5ポンド、TNT10.75Kg、遠隔操作用回路等で構成され、実際に使用された場合は少なくとも半径1Kmの範囲に被害を及ぼし、特に半径30-50mの範囲に甚大な被害をもたらす恐れがあったと見られているようです。
-----------------------------------
初期報道では、発見された爆発物には導線が繋がれておらず爆発させる事ができる状態には無かったと報じられていたにもかかわらず、タクシン暫定首相が暗殺計画を承知していたと発言して以降の報道から爆発物の威力を強調する当局側の発言が目立っていること、また、過去にクーデター未遂に関与した疑いがもたれ、またプレーム元首相に対するクーデター未遂で国外亡命した事があるマヌーングリット・キッティキカチョーン少将(元上院議長)や民主主義市民連合幹部のヂャムローン・シームゥアン少将と親交がある(確か士官学校時代の同期同士?)、当局側に取っては暗殺計画の存在を社会に訴える上で非常に都合がよいワンロップ大将の名前が急浮上している事を考えると、政府による軍幹部人事の介入に不満を抱く層や反政府層を弾圧する為の強力なカードを手に入れる為に政府・当局側が仕掛けた自作自演の可能性も指摘できるかもしれません。
また、車が発見された当時車内に二人いた男の内、現在逃走中とされる男に関する報道が、追跡状況を含め殆ど為されていない事も気になります。 (ついでに警察幹部やタイ・ラック・タイ党による小政党買収疑惑事件でも名前が出た防衛大臣参謀付きのトライロン君までが、堰を切ったように暫定首相の暗殺計画があったという話は本当だと発言しているのも出来すぎな気が。。)
更に、テロ目的で爆弾を積んでいるような車が、警備関係者の注目を集めて貰いたいかのように暫定首相の私邸付近を行ったり来ていたりするような行動を取ることはあり得ないと指摘し、当局側が主張する暗殺計画説に疑問を呈する声もあるようです。
また、同様に、反タクシン派弾圧の為に非常事態令を適用する大義名分作り(プラソン元国家安全保障会議事務局長)との指摘や軍幹部をタクシン色一色にする為の自作自演という指摘も安全保障関係者から出ているようです。
(タイ時間 14:25掲載 23:55最終更新)
posted by Jean T. at 01:55|
社会
|

|