東北部公務視察の一環としてローイ・エット県を訪問したタクシン暫定首相は9日、住民等を前に行われた演説で首相続投に強い意欲を見せました。
演説の中でタクシン暫定首相は、国益よりも政治的・個人的な利益を追求する者や自分を好きでは無いマスコミ等からの辞任圧力に晒されながら、国益・国民の為に自らが果たすべき責任や、自らの将来について如何に処すべきかについて考え続けてきていた事を明らかにした上で、今回の訪問で続投を求める住民からの強い声援を受けたことにより、今後も貧困撲滅を初めとする国民が抱える問題の解決を推進させる為にも”タイ・ラック・タイ党”が任務を継続するべきであるとあらためて認識する事ができたとし、自身の将来の身の振り方については、総選挙により、主権在民とは個人的利益を追求する者の為のものではなく、文字通り国民に主権があることを意味する事が証明されるまで回答を待って欲しいと語り、言外で主権在民を盾に暫定首相を攻撃している反タクシン派を非難した上で、票の上での国民の支持を背景にして再度首相に就任する意向を強く滲ませていました。
また、演説後に記者団から首相の続投を決心したのかと聞かれたタクシン暫定首相は、まだどっちつかずの状態だ、同じ心の苦しみをマスコミ、特に(タクシン暫定首相に批判的な)プーヂャッガーン紙やマティチョン紙、カーオ・ソット紙にも味あわせてあげたいと語っていたようです。
因みに、この発言を聞いたネーション・チャンネルのガノック氏は、(同じく同暫定首相に批判的な)ネーション社系の新聞の名前がタクシン暫定首相の口から出なかった初めとのケースだと語っていました。
一方、タクシン暫定首相は、この演説に先だってマハーサーラカム県内で行われた演説の中では、バンコクの高学歴な住民が簡単に悪い考えを持っている人物の策略に嵌められ、その喧伝を信じているように、人々が簡単に策略にはまり、デマを直ぐに信じてしまう事がタイ社会が抱える病根の一つであると指摘し、更に地方でも学歴レベルが高い住民にも同じように騙され安い傾向が見られるとした上で、ここに集まっている住民のように(タクシン暫定首相から直接)正しい情報を得ている者は、その様な罠にはまる事はないと、まるで、どっかの人がこれまで地方住民を幻惑する為に取ってきた手法を自己批判せず、それを批判している者に責任をなすりつけているような発言までしていました。
因みに、公費で行われた公務訪問であるにもかかわらず、タクシン暫定首相は演説の際に、何故かタイ・ラック・タイ党の名前を出し、また演台に立った同党の擁立予定候補者の紹介まで行っていました。また、一部報道によると、反タクシン派の声が聞こえてこない"心の故郷"に出かけ上機嫌だったタクシン暫定首相はローイ・エット県内のホテルで地元経済界の関係者等を招いた夕食会の席上で15曲も歌を披露し声をからしてしまっていたようです。
posted by Jean T. at 02:37|
解散・選挙
|

|