2006年10月31日

民主党党首、安保評議会は国民への主権回復に向けた姿勢を明確に示せ

 民主党のアピシット党首は30日、国家安全保障評議会の前身である民主改革評議会が政変により実権を掌握した際に掲げた国民への主権返上を早期に実現させるとする公約に対する進捗が感じられず、また同評議会が今後も実権の掌握をに執着するのではないかとの不安が国民に広がっていると指摘した上で、同評議会に対して、国民への主権返上に向けた取り組みや方向性及び不正行為に対して一切妥協しない姿勢をあらためて明確に示し国民の不安を解消するべきであると指摘しました。

 一方、タイ・ラック・タイ党法務担当のピーラパン・パールスック氏は、政変で実権を掌握した政府の多くが国民への公約を裏切り実権の掌握維持に固執していたと指摘した上で、今後国家安全保障評議会の動向を緊密に監視する方針を明らかにしていました。

posted by Jean T. at 02:36| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

民主党党首、プリーディヤトーン副首相は慎重な発言を

 民主党のアピシット党首は30日、国家毀損行為特別調査委員会が解明を進めている、ポヂャマーン前首相夫人による国に差し押さえられていたラチャダーピセーク通り沿いにある一等地を不当に安価で落札した疑惑に絡んで、プリーディヤトーン副首相が、入札は公正・透明に行われていたと発言している事に関して、同副首相に対して慎重な発言を心掛けるべきであると指摘しました。

 これは、問題となっている入札が行われた当時に、当該用地を管理していたタクシン政権が設立したタイ資産管理会社の総裁職にあったプリディーヤトン副首相が、敢えて現在疑惑の解明が行われている問題に対して、取引の正当性を主張した事を受けたもので、アピシット党首は、党独自に行った調査では、権力に近い者に有利に落札するよう工作が行われていた疑いが濃厚になっている事を明らかにした上で、同副首相は、調査結果を待たずに見解を述べる事無く、調査委員会による解明結果を待つべきであると指摘していました。

 また、今回の発言が同副首相の保身の為に行われたと指摘されている事に関しては、直接的なコメントを避けた上で、同副首相は見解だけを述べずに、特別調査委員会による解明作業に協力する姿勢を見せるべきであると指摘していました。

posted by Jean T. at 02:34| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スラユット首相、テマセク問題に政治介入しないことを確認

 スラユット首相は30日、ASEAN・中国首脳会談出席の為に訪問した中国でシンガポールのリー首相と会談した際に、シンガポール系のテマセク社によるシン社の買収問題に関しては、司法側の手続きに委ねるべきであるとして、タイ政府側に問題に介入する意向が無いことを伝えた事を明らかにしました。

 また、スラユット首相によると、今回の会談で11月14日から19日の間の何れかの日にシンガポールを公式訪問する見通しになった事を明らかにしていました。

posted by Jean T. at 02:33| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イスラム系弁護士失踪事件、状況証拠のみで立件する可能性

 法務省特別捜査局のピヤワット報道官は30日、当時ジェマーイスラミアに協力した容疑で起訴されていたイスラム系住民の弁護活動に当たり、警察によって拷問まがいな事情聴取が行われていると告発していた、イスラム弁護士協会会長(当時)のソムチャーイ・ニーラパイヂット氏が失踪した事件に関して、タイ初の遺体が発見されていない殺人事件として起訴される可能性が高いことを明らかにしました。

 同報道官によると、状況証拠に基づき、ソムチャーイ氏は、誘拐した警察関係者により殺害され、更に遺体は発見不能なまでに焼却粉砕された上で遺棄されたと立件した上で刑事起訴する可能性が高いようです。

 この事件に関しては、これまでにこれまでに警察将校クラス(逮捕時は警察中佐、仮釈放後に警察大佐に昇格)を含む警察官4人が逮捕されていますが、全員がソムチャーイ氏失踪事件への関与を否定していると伝えられていました。

 また、法務省のヂャラン臨時次官代行が、この事件を最優先案件として捜査を展開し、週ベースで捜査の進捗状況を報告するよう命じていました。

 尚、当時ソムチャーイ氏が弁護にあたっていたジェマーイスラミアに協力していたとされた容疑者は、全員証拠不十分で無罪が確定しています。

posted by Jean T. at 02:31| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

タクシン前首相暗殺未遂疑惑の解明も最優先事項の一つ

 国家安全保障評議会のチャリット副議長(空軍指令長官)は30日、タクシン前首相を狙った爆殺未遂事件に対する捜査が依然継続されて行われている事を確認しました。

 これは、国家安全保障評議会側が爆殺未遂事件に関する捜査の中止を命じたと報じられていたことを受けたもので、チャリット副議長は、タークバイでの虐殺事件やイスラム系弁護士失踪事件と同様に爆殺未遂事件に関しても最優先で捜査を進展させるよう各関係当局に命じているとした上で、向こう1-2週間以内に初期捜査を終了できるとの認識を示していました。

posted by Jean T. at 02:29| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月30日

王子秘書官長、テマセク顧問に就任すると噂された元秘書官は単なる不逞の輩

 ワヂラロンコン王子の秘書官長であるサティットポン・スクウィモン空軍大将は28日、シンガポールのテマセク社がタイ国内に開設した事務所の顧問に就任すると噂された元王子秘書のトーンノーイ・トーンヤイ氏は、己の私利私欲の為に立場を悪用するような不逞の輩であるとした上で、同氏や今回の顧問就任話と王室や王子とは一切無関係であることを強調しました。

 尚、テマセク社側は最終的にトーンノーイ氏を顧問に迎え入れることを断念したようです。

 サティットポン空軍大将は発言の中で、トーンノーイ氏は、単に王子の為に英語の翻訳や原稿を書く仕事のみに関与している秘書官の末席に就く者でしかないと語り、同氏が2000年から王子の資産管理を任されていたとするマスコミ報道を強い口調で否定、、更に国王付きの秘書官を定年退官したというのも全くの嘘で、実際には国王秘書官時代から不透明な職務遂行態度や裏で常習的に悪事を働いていたなど、同僚の秘書官等から疎んじられていた人物であった為に、同氏に己を質す機会を与えるために王子秘書官の末席に就く様な仕事を与えていたに過ぎなかったとした上で、己の私利私欲の為に王子秘書官という立場を悪用した同氏の行為は、王室だけでなく国内外にも損害をもたらす極めて不適切な行為であったと非難していました。

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国民の多くがスラユット首相に好印象も問題解決能力には多少の疑問

 ABACポールが行った調査で、スラユット首相に関して65.1%の回答者が信頼できる、63,2%の回答者が誠実で善良な人と回答し、更に50%以上の回答者が利権とは無縁、真摯に問題解決に取り組む姿勢を感じられる、全力で職務に邁進していると回答するなど、総じて同首相に対して好印象を持っているとの結果が得られているようです。

 また、タクシン政権と現政権との比較では、60%以上の回答者が政治倫理面で優れている、43%の回答者がビジネス利権との関係が薄いと好意的な結果が出ている一方で、職務遂行面では僅かに38%の回答者が国民が抱える問題に対する迅速な対応が期待できると回答し、貧困問題等の解決面で多少の不安を国民が抱いている事を示唆する結果が出ているようです。

 尚、タクシン政権の方が国民が抱える問題に対する迅速な対応が期待できたと回答した者は
26.4%と、スラユット政権より多少落ちる結果になっています。

 一方、スラユット首相とタクシン首相との比較では、43.4%の回答者がスラユット首相の方が正直、19.8%の回答者が前首相の方が正直と回答、更に対外イメージでは、スラユット首相の方が優れていると回答した者が22.6%だったのに対して、前首相の方が優れていると回答した者が13.2%という結果になっているようです。

 この調査は、全国1,864人を対象に行われたもの。

posted by Jean T. at 02:27| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月29日

国家毀損行為調査特別委員会は恣意的に任務を遂行している・・・と前政権支持派

 タクシン体制支持派の民主主義の為の市民パワーネットワーク代表のスラポン・トーウィヂャックチャイヤグン氏(元チァン・マイ県選挙区タイ・ラック・タイ党下院議員候補)は28日、政治的な権限を乱用した国家毀損行為を調査する為に設立された国家毀損行為調査特別委員会が、恣意的・差別的に任務を遂行していると非難しました。

 先に国家汚職取締委員会に対して、民主党都政が絡む汚職疑惑等の民主党が関与している疑惑も指摘されている汚職案件に関する調査を進めるよう要望書を提出した事でも知られるスラポン氏は、特別調査委員会がタクシン一族関連の不正行為の調査に固執していると指摘した上で、本来公明正大に職務を遂行するべき特別調査委員会は、民主党都政が計画した16件のインフラ関連プロジェクトの入札汚職疑惑等の案件についても調査を開始するべきであると指摘していました。

 因みに、タイ・ラック・タイ党を支持した県に対しては相応な支援をすると言い放ったタクシン政権は、中立を旨に公明正大な職務を遂行されると困っちゃうので国家汚職取締委員会を開店休業状態に追い込み、更にタクシン前首相の義弟が次官を務める法務省傘下の特別捜査局に対して民主党都政が絡む汚職疑惑を一生懸命調査するよう命じていたりしていた訳ですが、この事についてスラポン君はどう思っているんでしょうかね?

posted by Jean T. at 01:56| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

タイ・ラック・タイ党、新憲法の起草作業は1997年憲法を下地に行うべき

 タイ・ラック・タイ党のヂャトゥポン副報道官は28日、1997年憲法を下地として新憲法の起草作業にあたるべきであると指摘しました。

 発言の中で同副報道官は、1997年憲法を下地に憲法の起草作業を進めることは、あたかもロールスロイスで無理矢理田畑を耕すようなものであると一笑に伏したミーチャイ国家立法評議会議長が、過去に自らが起草作業にあたった1991年憲法を下地に起草作業を進めることこそ、まさにロールスロイスで無理矢理田畑を耕す行為に等しいと皮肉った上で、1997年憲法を下地に国民の参加を得て問題点を洗い直しながら起草作業を進めることが効率性に適っており、また国民が希望している早期の民主主義体制への復帰にも繋がると指摘していました。

 同副報道官によると、タイ・ラック・タイ党内の元憲法起草会議メンバー等を交えて独自に1997年憲法の問題点を洗い直し、結果を公表する予定でいるようです。

posted by Jean T. at 01:54| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月28日

モロッコの名誉領事という肩書きを持つマレーシア人実業家を逮捕

 法務省特別捜査局は27日、パン・ンガー県の沖合に浮かぶヤーオ島の国有地を不当に収容した容疑で、それぞれモロッコとジブチの在タイ名誉領事という肩書きを持つ華人系マレーシア人ビジネスマン(56)とそのタイ人の妻(41)を26日夜にプーケット県内の自宅内で逮捕し、不正収容に関与した容疑で国務省土地局の職員を含む3人のタイ人に事情聴取の為に出頭するよう命じた事を明らかにしました。

 法務省のヂャラン次官によると、今回の逮捕は、地域内で強大な影響力を持つとされる二人に国有地を不正に収容していた疑惑があるとの告発を受けたパン・ンガー県の県知事からの報告に基づき捜査を行った結果実現したもので、国有地の不正収容には地域の大物や政治家だけでなく、国政レベルの政治家が深く関与していた疑いが濃厚であるとして、現在証拠集めに動いているようです。

 特別捜査局によると、逮捕された二人は、1988年頃からヤーオ島の土地事務所職員2人及び同島の郡長及び郡助役から提供された便宜供与の元で、島内の海浜地区や森林地区等の公共用地の取得を進め、更に不正に収容した土地の権利証書を抵当に銀行から融資を受け、プーケット県内で宝石店やホテル、観光事業関連のビジネスに投資していたようです。

 尚、不正に取得された土地自体には、開発等の手は一切付けていなかったようです。

posted by Jean T. at 20:15| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スラユット首相が南部を電撃訪問

 スラユット首相は28日、ナラーティワート県内で発生した爆破事件で負傷を負った僧侶や軍関係者の見舞いの為との名目で急遽ソンクラー県を訪問しました。

 18時前にバンコクを飛び立ち、21:30にはバンコクに帰り着くという強行軍ぶりだったようです。

 尚、先立つ同日午前に施政方針演説の為の議会が開催される前日の10月2日に南部国境三県域を訪問する予定であると語っていたスラユット首相の今回の急な訪問に関してヨンユット政府報道官は、身体の安全確保及び地域に展開する当局関係者の手を煩わしたくないとの気持ちから電撃訪問という形を取ることになったと説明していました。

posted by Jean T. at 20:11| 南部情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

前首相、来る訴追に備え弁護チームの結成に動く

 タクシン前首相が、来る不正疑惑に対する訴追に備えて弁護チームの結成に動いている事が明らかになっています。

 同前首相及び一族の不正疑惑に絡んで、これまでに国家毀損行為特別調査委員会及び国家汚職取締委員会がシン社の持ち株売却課程及びそれに伴う脱税疑惑、国家に差し押さえられていた都内ラーチャだピセーク通り沿いの一等地を実勢価格より低い不当な価格で落札した疑惑等に関する調査の開始を決定していました。

posted by Jean T. at 20:09| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月27日

前首相夫人のプレーム議長との面会は潜在的な脅威を増大させるための深謀遠慮?

 民主主義キャンペーンのスリヤサイ事務局長(民主主義市民連合調整役)は26日、プレーム枢密院評議会議長がタクシン前首相夫人のポヂャマーン・チンナワット女史の面会を許した事は、社会に新たな疑惑をもたらす恐れがある極めて不適切な事であったと指摘しました。

 発言の中でスリヤサイ氏は、9月19日の政変に大きな役割を演じた事を否定する事が出来ないプレーム枢密院評議会議長がポヂャマーン夫人に面会した事は、両者間で何らかの密約が交わされたとの疑惑を社会にもたらすだけでなく、タクシン一族が関与した不正疑惑の解明を進めている関係当局にも混乱をもたらすと指摘、更に、今回の面会によりタクシン前首相は依然健全で、適切な時期に凱旋帰国するとの期待をタイ・ラック・タイ党やタクシン体制を支持する層、水面下で不穏な動きを画策している配下に与え、彼らの動きを勢いづかせる事に繋がると指摘した上で、プレーム議長は今回の面会の顛末を社会に明らかにすると共に、ポヂャマーン夫人は、この様なロビー活動や自身や一家が犯した過ちの洗浄を画策する様な行為は早急に止めるべきであると指摘していました。

 一方、タクシン前首相の帰国時期に関しては、現在行われている不正行為の解明が終了するまで帰国するべきではないとした上で、仮に早期に帰国する様な事があれば再度民主主義市民連合幹部間で協議を行った上で、強力な反対活動を展開する事になるとの考えを示していました。

 尚、今回の面会の手配をしたプレーム議長側近のウート・ブァンボン大将(元防衛省次官)は、15分間に渡る面会の席上でポヂャマーン夫人から前首相の早期帰国実現に向けた協力要請や政治情勢に関する話は一切為されなかったとした上で、あたかも大人が子供に話しかけるように、プレーム議長側からタクシン一家の近況に関する質問が行われ、その際に一国の指導者が一日で権力の座から引きずり落とされる事は避けられないことで、強い気持ちを持って現在置かれている状況を堪え忍びなさいと諭す場面が見られた程度だった事を明らかにしました。

 因みに、プレーム議長は、ポヂャマーン夫人との面会直前に前首相一族が関与している不正疑惑の解明を進めている国家汚職取締委員会関係者等と面会していたわけですが。。。とりあえず国家汚職取締委員会のパンテープ議長及びグラーナロン委員いずれも、訪問は委員会設立7周年を記念した特別講演を要請する為のもので、面会中には一切前首相一族が絡む不正疑惑に関する質疑は為されておらず、また同じ日にポヂャマーン夫人との面会があるという話は知らなかったと語っているようです。

posted by Jean T. at 01:24| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ナラーティワートで爆破、当局関係者4人が負傷

 26日12:20頃、ナラーティワート県ランゲ郡内で、路上に放置された燃えたタイヤと偽爆弾によりおびき出された当局関係者が、回収作業及び現場検証作業にあたっているところを見計らって、予め草むらの中に隠されてあった爆発物が爆発するという事件が発生し、当局関係者4人が負傷を負いました。

 使用された爆発物は携帯電話を使用した遠隔操作式のものと見られているようです。

 また、先立つ5時頃には、同県スンガイ・パーディー郡及びヂョアイローン郡内で、ほぼ同時にイスラム系住民男性が銃撃され死亡するという事件が発生しています。

posted by Jean T. at 01:22| 南部情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月26日

前首相夫人のプレーム邸を訪問に先だって汚職取締関係者の訪問を確認

 タクシン前首相夫人のポヂャマーン・チンナワット女史がプレーム枢密院評議会議長邸を訪問する予定になっている26日朝9時過ぎ、国家汚職取締委員会のパンテープ委員長や前首相の天敵として知られるグラーナロン委員、国家毀損行為調査特別委員会の関係者が同議長邸に入るところが確認されているようです。

 尚、前首相にもたれている嫌疑を晴らすと共に、前首相の早期帰国へ向けた支援要請の為にプレーム邸を訪問するとも伝えられているポヂャマーン夫人の訪問と、汚職取締関係者の訪問との関係は不明。

(タイ時間 11:25)

posted by Jean T. at 13:24| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スラユット首相、党首等と新憲法起草や政治改革について意見交換

 スラユット首相は25日、各政党の党首を首相官邸に招致し昼食を囲みながら政治改革や新憲法起草に向けた取り組みに関して意見交換を行った。

 これは、各政党党首に対して政府の取り組みについて説明し理解を求めると共に、政党側からの意見を聴取する機会を持つことにより、強固な一致団結体制を築き上げることに繋げたいとするスラユット首相の意向だけでなく、依然地方部で展開されているとされる国内の安定を脅かす水面下の動きが最悪の事態に発展する事を抑えたいとの政府及び国家安全保障評議会の意向が反映し実現したもの。

 会談終了後スラユット首相は、首相側から5人以上の政治的な集会を禁止した民主改革評議会令第7号が11月初旬に開所される見通しである事が示された他、現在の国内情勢や今後の政府と政党との協力関係、新憲法に関して意見交換が行われた事を明らかにしていました。

 一方、民主党のアピシット党首は、より強固な新憲法の起草議論に必要な異なる意見のぶつけ合いの障害となっている、政党内での協議や公共の場所での政治集会の禁止を含む5人以上の政治集会を禁止する民主改革評議会令を早急に解除するべきであると指摘した事に対して、首相側から既に国家立法議会に民主改革評議会令の解除を提案する準備が出来て着るとした上で、仮に解除につけ込んだ水面下の動きが激化する様な事があれば、それを厳格に取り締まる意向であるとの回答が得られた事を明らかにしていました。

 出席した党首は、タイ・ラック・タイ党のヂャートゥロン暫定党首、民主党のアピシット党首、チャート・タイ党のバンハーン党首、プラチャラート党のサノ党首、タイ大地党のリキット党首等。

posted by Jean T. at 02:22| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スラユット首相、国内に脅威をもたらす水面下の動きに強い懸念

 スラユット首相は25日、各政党党首を招致して行われた意見交換会の席上で、国内正常化の取り組みに脅威をもたらす水面下の動きに強い懸念を表明していた事が明らかになっています。

 これは、意見交換会に出席したタイ大地党のリキット・ティタウェーキン氏(元タイ・ラック・タイ党)が明らかにしたもので、同氏によるとスラユット首相は席上で水面下の動きが最悪の事態にまで発展する事が無いよう是が非でも抑え込みたいとの意向が語られ、それに対して各政党の党首が水面下の動きが実際に存在しているとの認識を示した上で、その様な誤った動きが最悪の事態にまで発展する事を避けるべきであるとの意見で一致していたようです。

 更に、リキット氏によると、特に大政党及ぶ歴史がある政党(恐らくタイ・ラック・タイ党と民主党若しくは民主党とチャート・タイ党?)は、水面下の動きに対しては厳然たる態度で臨むべきであると指摘していたようです。

 尚、前後して民主党のアピシット党首は、席上で水面下の動きに関して意見交換が行われた事を明らかにした上で、適切な手段で厳格にその様な動きを取り締まるべきであるとの意見を述べた事を明らかにしていました。

 また、消息筋によると、席上で新興小政党の党首らから、水面下の動きを煽動できるのは特定の政党だけだと指摘され、タイ・ラック・タイ党のヂャートゥロン暫定党首が渋い顔をする場面も見られたようです。

posted by Jean T. at 02:19| Coup D'etat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スラユット首相、第三方面軍がバンコクに入域との報道を否定

 スラユット首相は25日、第三地区国軍本部の戦力がバンコクに入域したとの報道を否定しました。

 これは、水面下の動きに絡んで、25日付けのバンコクポスト紙が、タクシン前首相の電撃帰国及びミーチャイ・ルチュパン氏が国家立法評議会議長に選出された事により予想される反対勢力の動きに備える為に、ピッサヌローク県内に本部を置く第三地区国軍本部の戦力の一部が24日夜半にバンコクに入域したと報じていた事を受けたもので、スラユット首相は、正式な回答は国家安全保障評議会側から為されるべきであると断った上で、恐らく何らかの情報が誤って伝えられたものだろうと語っていました。

 あくまで個人的な見解ですが、この記事をすっぱ抜いたのが、ここ数年恐らく陸軍保守派系の人物から意図的に流されたと思われる情報に踊らされたデマ記事を度々掲載してきたバンコクポストだったという所に留意する必要があるような気がします。(ポストに度々掲載されるデマ記事は、タクシン前首相も首相時代にかなり気にかけていたようです。また最近の水面下の動き関連報道の激化は、なんとなくクーデター直前の頃に当時の暫定政権側がタクシン暫定首相の暗殺計画の存在を喧伝していた頃の状況に似ているような気がしないでもないです。しかも今度はタイ・ラック・タイ党が、国家安全保障評議会側が意図的に水面下の動きがあると言いふらしていると指摘する始末。)

 いずれにしても、タイの新聞は客観性に欠けた主観的な報道に走る傾向が強いので(ネーションなんかは発行している新聞三紙が、それぞれ異なる論調を展開する事がある)、少なくとも毎朝異なる会社が発行した新聞を四紙以上読み続けないと、何が正しくて何が間違っているのか正しく判断できない様な気がします。

参考
http://www.bangkokpost.com/News/25Oct2006_news01.php

posted by Jean T. at 02:16| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月25日

特別捜査局、外国人への不正身分証明書発行行為を摘発

 法務省特別捜査局局長のソムバット・アモンラウィワット警察大将は24日、チァン・マイ県メーテーン郡の元郡長及び郡庁の高官や職員9人が職権を乱用して、主に山岳少数民族を含むミャンマー人を始めとする外国人の住民登録を同郡内で行いタイ国民である証となる身分証明書を発行していた事実を掴み、既に資金洗浄取締委員会に対して調査を依頼している事を明らかにすると共に、同様な不正行為がミャンマーやラオスと接する北部の国境地帯で行われている疑いがあるとして範囲を広げて捜査を行っている事を明らかにしました。

 ソムバット局長によると、元郡長等はタイ国内で職を得たい等の理由でタイの身分証明書を必要としていた外国人から一人あたり5,000バーツから8,000バーツを徴収して、同郡内のガムナンや村長等の地方政治家や住民の協力の元で住民登録を行い、タイの身分証明書を発行し、少なくとも3,500万バーツの利益を不正に取得していたようです。

 また、ソムバット局長によると、これまでの調査で2004年3月から2005年9月までに同郡内で住民登録が行われた5,014人の内、実に5,008人分が不正に住民登録が行われていた事が明らかになっているようです。

 尚、不正行為に関与したとされる元メーテーン郡郡長のプラスット・インディー氏は、今後の調査の為に既に国務省行政局付きの閑職に異動されているのを始め、同様に関与した疑いがある同郡の高官数人も既にチァン・マイ県県知事の指示で別の行政関連施設付きの閑職に異動されているようです。

 また、県警察及び郡警察は、既に公文書偽造の容疑で不正行為に協力した村長及び住民の2人を逮捕し事情聴取を始めているようです。

posted by Jean T. at 01:27| 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プレーム枢密院議長、政府の南部政策を支持

 プレーム枢密院評議会議長は24日、政府がタクシン政権によって解体された南部国境県行政センターを南部委国境県開発センターに名前を変えて復活させると共に、同様に解体された文民、軍及び警察を包括した第43合同司令本部を復活させる方針を決定した事に対して、過去に実績を上げてきた組織を復活させる事により南部正常化に向けた取り組みに前進が期待できるとして指示を表明しました。

 更に同議長は、政府側が上記二つの組織の復活に先立って、現在の情勢に応じた構造的な見直しを行うことで、より効率的に対策が講じる事が出来るとの考えを示しました。

 上記に組織に関しては兼ねてから民主党等が、地域の利益より政治的な利益を優先するタクシン政権が上記の二つの組織を解体したことが南部情勢を激化させる要因になったと指摘していました。

 一方、スラユット首相は、まだ具体的な日程は煮詰まっていないと断った上で、25日に行われる国家立法議会への施政方針報告を終了後に南部を訪問する方針を明らかにしていました。

posted by Jean T. at 01:26| 南部情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする