2007年12月31日

スンガイゴーロックで連続爆破、27人前後が負傷

 30日深夜から31日未明にかけてナラーティワート県スンガイ・ゴーロック郡内中心部3ヶ所で連続して爆破が発生し、初期報道段階で27人前後が負傷を負った。

 爆発が発生したのはマリーナー・ホテル正面付近にあるカラオケ店前、同ホテル2階にあるディスコ及びリヴィエラ・ホテルの裏手で、内2ヶ所ではバイク爆弾が使用されたと見られる。

* 以上初期報道に基づく。尚、24日以降の南部情勢関連に関しては別途まとめて掲載する予定でおります。
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邦人実業家失踪に関与した容疑で邦人の男(53)の身柄を拘束し事情聴取

 チョンブリー県パッタヤー地区の警察当局は30日、18日にタバコを違法に無関税で輸入した容疑で逮捕した同県バーンラムン郡在住の53歳の日本人の男が、14日にタイに入国後消息が不明になっている67歳の日本人実業家(タイ語報道のまま)の失踪に関与している疑いがあると見て捜査を行うと共に、26日夜半に同県サタヒップ郡内の林の中で発見された死後10日以上経っていると見られる手足を切断された日本人と見られる男性の遺体が失踪中の男性ではないかと見てDNA等の解析を行っている事を明らかにした。

 男は、男性の息子からの捜索協力要請を受けた日本大使館がスワンナプーム国際空港に問い合わせた結果、同空港に設置されていた監視カメラ映像から、14日に男性を出迎え、その後パッタヤー方面に向かっている事が確認された事を受け、別件のタバコの違法無関税輸入容疑で18日にパッタヤー地区の警察により身柄を確保されていたもので、男の自宅で行われた家宅捜索により男性が所有していたノートパソコンや男性がタイ国内での投資用に所持していたと見られる350万円の現金が押収されているという。

 タイ国内の報道によると、失踪している男性にはチョンブリー県サタヒップ郡内在住のタイ人の妻がおり、過去に男性が暴力沙汰を引き起こし妻に3万バーツの慰謝料を支払った事があったという。

* 本件に関する日本の各メディアの報道はこちらをご参照下さい。
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ブリラムのパラン党候補3人にレッドカード

 選挙委員会は30日、ブリラム県第一選挙区から出馬し当選を決めたパラン・プラチャーチョン党所属の3人の候補者に対して1月31日に一斉に行われる再選挙での再出馬が認められないレッドカードを発行する決定を下した。

 レッドカードが発行されたのはプラギット・ポンデート氏、ポンチャイ・シースリンヤンナヨーティン氏及びルンロート・トーンシリー氏の3人で、何れも有権者に現金を配った行為及び立会演説会に参加する住民に移動手段を提供した事が選挙法に違反すると判断され今回の決定になった。

 レッドカードの発行により、3人は向こう1年間に渡り被選挙権が剥奪される他、再選挙にかかった費用の弁済義務を負う事になる。
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新政権は短命に終わる、ルゥアム党副党首が予測

 ルゥアム・ヂャイ・タイ・チャート・パッタナー党のアネーク副党首(元民主党副党首、元マハーチョン党党首)は30日、年明けにも枠組みが明確になると見られている新政権が短命に終わるとの考えを示した。

 アネーク氏は発言の中で、今後の政治情勢を正しく予測する事が出来ない情勢の中ではどの政党が政権を取ろうとも短命に終わるとの考えを示した上で、新政府は攻撃的では無い人物を閣僚に据えると共に、少なくとも半年以上の期間をかけて国内和解の推進、一致団結体制創成の推進に努め、社会、特に嘗ての政権を受け入れていなかった層からの信頼を勝ち取る事が重要であると指摘した。

 また、民主党を除く全ての政党がパラン・プラチャーチョン党を中心とした新政権に参画すると見られている事に関しては、大多数の下院議員を議会内に確保する事は政権の安定の確保に繋がるとしたものの、反政府運動の再発を防ぎ真の安定性を確保する為には国内和解の推進、一致団結体制の創成の推進を基本に置き、法定の手続きに介入せず、学識経験者や高学歴層の意見を無視せず、野党となる民主党を蔑まず尊重する事が重要であると指摘した。
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連立参画に向けた調略に40億バーツが投下、民主落選候補が指摘

 ブリラム県第三選挙区に民主党から出馬し落選したチャイヤワット・シンスウォン氏(元パランタム党党首、元工業大臣、民主主義市民連合幹部)は29日、ある中規模政党を連立政権に取り込むために40億バーツ近い資金がパラン・プラチャーチョン党により投下されていたと指摘した。

 チャイヤワット氏によると、パラン・プラチャーチョン党側は、強大な連立政権を樹立する為にある一つの中規模政党の幹部を利権を餌に調略し連立への参画に合意させ、対象になった中規模政党の下院議員に就任する予定の党員全員を説得する為に総額で40億バーツ近い資金が投下されていたという。

 また、連立への参画を公式に表明していない下位三政党の連立参画がパラン・プラチャーチョン党側により早期から発表されている背景に、あたかも古い借金の全額帳消しを申し出るような下位三政党側の弱みにつけ込んだ何らかの交換条件が提示されていた可能性があると指摘した。
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ディスコ店内で発生した喧嘩の際に爆発が発生

 30日深夜、ピヂット県県都内のディスコ内で22歳の男が爆発物を爆発させるという事件が発生した。

 爆発が発生したのはピヂット・プラザ・ホテル内にあるディスコで、当時店内にいた約500人の客に被害は無かった。

 逮捕された22歳の男は警察の取り調べに対して、約10人の友人等と共に店内で楽しく飲食している最中に、近くのテーブルで飲食中だった別の若者グループから言いがかりをつけられると共に物を投げつけられたのがきっかけで殴り合いの喧嘩になり、怒りの余り隠し持っていた爆発物を爆発させてしまったと証言しているという。
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2007年12月30日

チューウィット氏、バンハーン氏は11月の発言を守り連立参画を断念すべし

 元チャート・タイ党副党首のチューウィット・ガモンウィシット氏は29日バンコクにあるチャート・タイ党本部前で記者会見を開き、同党のバンハーン党首はパラン・プラチャーチョン党と共同歩調をとる考えは無いとした己の発言を守りパラン・プラチャーチョン党との連立を断念するべきであると指摘した。

 発言の中でチューウィット氏は、民主党との旧野党連合同士の昼食協議が行われた翌日の11月7日に行われたマスコミとのインタビューの中でバンハーン党首がパラン・プラチャーチョン党と共同歩調をとる考えは無いと語っていたと指摘した上で、連立参画の前提となる5つの条件を隠れ蓑にして己の心変わりを誤魔化すことなく、前言を守りパラン・プラチャーチョン党主導の政権への連立参画を断念するべきであると指摘した。

 更に、チューウィット氏は、バンハーン党首が連立への参画を公式に表明する事は、インタビューの発言を聞いてチャート・タイ党に投票した有権者を裏切るだけでなく、しっかりとした野党連合の誕生を期待していた有権者をも裏切ることになると指摘した上で、仮にバンハーン党首が連立参画を公式に表明した場合は、葬儀用の花輪を持参してバンハーン党首のもとに抗議の為に馳せ参じる意向を明らかにした。

参考
報道映像 (MCOT)
チューウィット氏、優柔不断な姿勢に抗議し党を離脱
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タクシン前首相、4月中に帰国する意向

 選挙戦の勝利報告と年末の挨拶の為に香港に滞在中のタクシン前首相のもとを訪れていたパラン・プラチャーチョン党のチャオワリン・ラッタサックシリ警察中尉は29日、現地でタクシン前首相が4月中に帰国する意向を示していた事を明らかにした。

 先に、タクシン前首相は新政府が誕生する2月から4月の間に帰国する意向を示していた。

 チャオワリン警察中尉によると、今回戦勝報告の為にタクシン前首相のもとを訪れたのは約60人のパラン・プラチャーチョン党の党員を中心とした一団で、元タイ・ラック・タイ党副党首のスダーラット・ゲーユラパン女史も同行していたという。
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民主党の単独野党がほぼ確定、パラン党がプゥア党の調略にも成功

 29日昼前、プゥア・ペーンディン党のワッタナー最高顧問の自宅でスウィット党首を含む同党幹部と会談を行ったパラン・プラチャーチョン党のソムチャーイ副党首(タクシン前首相の義弟)とルゥアンロート副党首(元国家安全保障評議会最高顧問)は、会談でプゥア・ペーンディン党側から連立参画に向けた前向きな感触を得ることが出来た事を明らかにした。

 両副党首によると、プゥア・ペーンディン党とチャート・タイ党間で詰めの協議を行った上で、2-3日後に連立参画に向けた回答が得られる見通しだという。

 両副党首は、前日夜半に高血圧で緊急入院したチャート・タイ党のバンハーン党首を見舞った際にも、同様に連立参画に向けた前向きな感触を得られていた事を明らかにしていた。

 尚、バンハーン党首は29日午前中に病院を退院しており、同日中に今後の政治的なスタンスについて記者発表を行う意向を示しているという。

 29日午後に配信されたネーションの英文速報によると、バンハーン党首の息子のワーラウット氏が、既にチャート・タイ党とプゥア・ペーンディン党間で連立に参画する事で合意に至っている事を確認した上で、2日に開かれる記者会見で公式に両党がパラン・プラチャーチョン党主導の連立政権への参画を表明する見通しになった事を明らかにしているという。
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バンコクで警察と麻薬密売兄弟との間で銃撃戦、兄弟が死亡し警察官2人が重軽傷

 28日21:00過ぎ、バンコクのラートグラバン区クローン・ソーントゥンヌン地区内にある雑貨店前で警察官と麻薬密売容疑で逮捕状が発行されていた28歳と24歳の兄弟との間で銃撃戦が発生し、兄弟が死亡し首都圏警察本部ロムグラーオ署所属の警察中佐が重傷を負い、同署所属の巡査長が負傷を負った。

 警察の調べによると、スラム内を捜索中に逮捕状が発行されている兄弟を発見した警察官が捕捉に乗り出した際に、兄弟の妹が前に立ちふさがり逮捕状をくしゃくしゃにして捨てた上で警察官に性的な乱暴を振るわれそうになったと叫び加勢を求めた事がきっけで、兄弟や一緒に酒を飲んでいた仲間等との間で銃撃戦になったという。

 尚、29日朝時点の各メディアの報道は、警察官が雑貨店前のテープルで友人等と酒を飲み交わしていた兄弟の身柄拘束に乗り出す為に提示した逮捕状を兄が破ると共に仲間と共に警察官を罵りながら逮捕から逃れようとした際に、騒ぎを聞きつけた弟が兄の仲間が所持していた拳銃を発砲した事がきっかけで、途中から加勢に加わった約20人を含む兄弟及び仲間等との間で銃撃戦になったと報じていた。

 兄弟は、これまでに逮捕された100人近い小物密売人や麻薬常習者に対する捜査により大物密売人として浮かび上がっていた。
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2007年12月29日

バンハーン氏が緊急入院、パラン党が機会を捉え急接近

 28日19:00過ぎ、チャート・タイ党のバンハーン党首がラーマティボディー病院に緊急入院した事が確認された。担当医師によると、過労と心労による高血圧の症状を見せているという。

 関係者によると、バンハーン氏は朝からふらふらすると不調を訴え、その後プゥア・ペーンディン党のスチャート・タンヂャルゥン氏(元下院第一位副議長)の自宅で開かれた同党とのディナー・ミーティングの席上で再度不調を訴えミーティングを中座して病院を訪れていたという。

 同氏の息子のワラーウゥト氏によると、同日21:00頃にパラン・プラチャーチョン党のスラポン幹事長が見舞いに訪れる予定だという。

 スラポン幹事長は同日、チャート・タイ党とプゥア・ペーンディン党が連名で提示した連立に参画する前提となる5つの条件は、既に党の方針になっている無意味なものであるとして連立参画の条件には為り得ないとの強気の姿勢を示していた。この強気な発言の背景に連立後の大臣ポストを巡る交渉を有利に進めたいとの思惑があると見られている。

* その後の報道によると、パラン・プラチャーチョン党のソムチャーイ副党首(タクシン前首相の義弟)や元国家安全保障評議会最高顧問のルゥアンロート・マハーサーノン大将(副党首)等が豪華な花輪を持って調略、もとい見舞いに訪れていたようです。
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あたかも王室を尊重していないような物言いとサマック党首が不快感

 パラン・プラチャーチョン党のサマック党首は28日、チャート・タイ党とプゥア・ペーンディン党が連名で連立に参画する前提となる5つの条件を提示した事に対して、あたかも自身が王室を尊重していないような物言いであると不快感を示した。

 発言の中でサマック党首は、5つの条件中に記された王室を尊重すべしとの条件は、僅かに33議席しか獲得していないチャート・タイ党のバンハーン党首が233議席を獲得したパラン・プラチャーチョン党の党首に対して王室を尊重していないと侮辱したに等しいものであると指摘した上で、"長年に渡り親交がある"バンハーン党首に対してスントラウェート家の歴史を調べればラーマ5世の治世から王室を尊重し続けてきた事が判るはずであると指摘した。

 その上でサマック党首はバンハーン党首に対して、国王から勲章を下賜された格上の自分に対して物事を指導する様な態度をとるべきでは無いと指摘した。

 尚、サマック党首は、政権奪取後に国家安全保障評議会や国家毀損行為調査特別委員会に対する復讐に出る可能性に関しては、早期の一致団結体制の成立・国内正常化の実現を希望されている国王の思し召しに反するとして否定した。
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タクシン前首相が年間を通して最も期待はずれだった人物

 バンコク大学が行う世論調査クルンテープ・ポールがバンコク在住の1,198人を対象に21日から26日にかけて行った調査で、最も多い35.3%の回答者がタクシン前首相が年間を通して最も期待外れの人物だったと回答し、以下、クーデターを首謀したソンティ副首相(15.3%)、タクシン前首相の代理人を自認するパラン・プラチャーチョン党のサマック党首(7.8%)、スラユット首相(6.2%)、反タクシン派の旗手だったソンティ・リムトーングン氏(2.3%)と続いていた事が明らかになった。

 尚、最も賞賛に値する人物に関しては、最も多い18.5%がスラユット首相の名をあげ、以下、タクシン前首相(9.0%)、南部国境三県域内に展開している当局関係者や任務に就いている教師(8.7%)、ソンティ副首相(8.6%)、プレーム枢密院評議会議長(7.4%)、アピシット民主党党首(5.1%)、12月に死亡したBIG D2Bの父親であるウドム・キッティゴンヂャルゥン氏(2.9%)と続いた。

 また、最も期待はずれだった当局機関に関しては、最も多い14.6%の回答者がスラユット政権をあげ、以下、バンコク大量輸送公社(11.3%)、国家警察本部(7.2%)、選挙委員会(6.8%)と続き、一方で最も賞賛できる当局機関に関しては、最も多い8.2%の回答者が南部国境三県域内で任務に就いている軍関係者をあげ、以下、国家警察本部(7.3%)、選挙委員会(7.2%)、国家毀損行為調査特別委員会(6.7%)、国王や国王の姉君の治療にあたったシリラート病院(6.4%)、スラユット政権(4.0%)と続いた。

 更に、新政府に期待している新年の贈り物に関しては、最も多い22.2%が景気向上をあげ、以下、誠実・汚職に手を染めないこと(15.4%)、一致団結の実現・対立の解消(13.2%)、消費者物価の抑制・原油高問題の解決(10.2%)、私利私欲を捨て国益の為に任務を遂行すること(8.5%)、影響力を持つ大物対策・国内治安法の廃案(8.0%)と続いた。

 一方、今年最も嬉しかった出来事に関しては、最も多い46.0%が国王の80歳の誕生日を記念する式典をあげ、以下、国王のご退院(40.3%)、総選挙の実施(6.7%)と続き、一方で最も悲しい出来事に関しては、最も多い33.0%が南部情勢をあげ、以下、国王陛下のご入院(18.1%)、国王陛下の姉君の病状悪化(14.2%)、政治的対立の激化(11.2%)、1-2-GO機の墜落事故(6.2%)と続いた。
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子役俳優、モース(MOS)等に性的な虐待を受けたと訴える

 27日午後、子役俳優として知られるパトリックことチャーノン・モカラマニー君(11)が父親(51)に伴われ首都圏警察本部タンマサーラー署を訪れ、一緒にドラマの撮影に参加していた歌手兼俳優のモースことパティパーン・パタウィガーン氏等に衣服を脱がされ写真を撮影されるという辱めを受けたとした上で、二度と現在行われているドラマの撮影に参加したくないと訴えた。

 チャーノン君等によると、26日にバンコクのタウィーワタナー区内にある撮影場所で、ドラマ撮影の合間の休憩時間中にモースやドラマの監督であるウィーラチャイ・ルゥンルァン氏や他の男優等に集団で衣服を脱がされ、笑いながら裸の写真を撮られるという辱めを受けたという。

 尚、当初弁護士を通じてモース等を告訴すると息巻いていた父親は28日迄に前言を翻し、パトリック君が裏切り者と中傷される事を避ける為にモース等に対する逮捕要求を撤回し、警察の調書への被害事実の記録だけに留め今後はこの件について触れる意向が無い事を明らかにしている。

 一方、この件についてモースの関係者は、偶然現場にいただけで本人は一切辱めに関与していないと語っているという。
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2007年12月28日

中堅二党がパラン党との連立に向けた五つの条件

 27日夜、チャート・タイ党のバンハーン党首及びプゥア・ペーンディン党のスウィット党首が共同で記者会見を行い、今後も両党が共同歩調をとっていく事を再確認すると共に、パラン・プラチャーチョン党主導の政権に両党が参画する前提となる五つの条件を提示した。

1.王室の尊重
2.プレーム枢密院評議会議長に対する誹謗中傷行為の中止
3.政権を報復手段として利用しない
4.国内の法手続に付すためにタクシン前首相の帰国を実現させる
5.国家毀損行為調査特別委員会(資産調査特別委員会)の存続

 両党に関しては、先にパラン・プラチャーチョン党外事関連担当顧問のヂャクラポップ・ペーンケー氏(元政府報道官)が、開票作業でパラン・プラチャーチョン党の優勢が伝えられている事を受けプレーム枢密院評議会議長が状況を問いただすために両党の党首を公邸に招致したと指摘していたが、事実関係は確認されていない。

 一方、この五つの条件に対してパラン・プラチャーチョン党のグテープ報道官は、プレーム枢密院評議会議長関連を含め既に党側が実行しており、また国家毀損行為特別委員会関連に関しても既に同委員会の任期が定められている事から問題無いとの考えを示した上で、最終的に"口達者な者がほざいている"165議席の民主党だけが議会内で野党として残る事になるとの見通しを示した。

 同報道官によると、仮にチャート・タイ党とプゥア・ペーンディン党が連立に参画したとしても、エチケットとして既に連立参画を表明している下位三党を見捨てる考えは無いという。
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プゥア・ペーンディン党のパラン党合流が濃厚に?

 ナラーティワート県の選挙区から当選見込みになったウェーマーハーディー・ウェーダーオ氏は27日、前言を翻しパラン・プラチャーチョン党との連立に前向きな姿勢を見せた。

 ウェーマーハーディー氏は、タクシン政権時代にJIがタイ国内で行ったとされる謀議に関与した容疑で逮捕され、その後裁判で無罪が確定していた事で知られ、また同氏等に対して拷問紛いの取り調べを行われていると告発した顧問弁護士のソムチャーイ・ニーラパイヂット氏がその後失踪し、南部情勢激化のきっかけの一つになったと指摘されていた。

 先にパラン・プラチャーチョン党との連立は最後の選択肢であると語り民主党との連立に前向きな姿勢を示していたウェーマーハーディー氏は発言の中で、南部の住民は民主党の政策にそれほどの関心は持っておらず、今回の総選挙で少数の国民からの支持しか得られなかった民主党と連立することは南部情勢を激化させる事に繋がり得ると指摘した上で、むしろ多数の国民の支持を得たパラン・プラチャーチョン党に合流し安定した政権を創成する事が南部情勢の安定に繋がり得ると指摘した。

 また、ウェーマーハーディー氏は、前言を翻した背景に党側から何らかの圧力があったのではないかとの憶測を否定した上で、政策において共通点が多いパラン・プラチャーチョン党と連立し安定した政権を創成する事が国益に適っているとの認識から考えをあらためたとした。

 ウェーマーハーディー氏の発言に先立って同党のスラデート副党首が、(党首が中選挙区で落選した)プゥア・ペーンディン党が生き残るための唯一の選択肢は政策において共通点が多く、また安定した政権の成立に繋がるパラン・プラチャーチョン党と連立することであると指摘していた。

 尚、原則的にチャート・タイ党と共同歩調をとる方針を決定しているプゥア・ペーンディン党内では依然パラン・プラチャーチョン党との連立を推進する一派と民主党との連立する一派とに分裂しており、同日開かれた党内会議でも今後の方針に関して明確な結論には至らなかった模様で、また、28日夕方過ぎに、チャート・タイ党のバンハーン党首等を交えたディナー・ミーティングが再々度行われている事が確認されている。
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使い捨てのATM、プラチャイ党首の党内実権が事実上消滅

 マッチマーティパッタイ党マッチマー会派のスントン・ウィラーワン氏(プラヂンブリー県第一選挙区当選見込み)は27日、既に同党のプラチャイ党首の党内に於ける発言権が消滅したとの考えを示した。

 これは、民主党を中心にした政権への参画を主張しているプラチャイ党首が28日に党会議を招集している事について聞かれた際に語られたもので、スントン氏は連立参画に向けた各党との交渉は既に党幹部3人に委任されており、プラチャイ党首が意見を挟む余地は既になくなっていると指摘し、事実上意見の対立だけで終わる会議の開催は不可能であるとの考えを示した上で、同日はTPIビル内にある党本部に置かれているソムサック・テープスティン氏直系のマッチマー会派に所属している備品がビル外に持ち出される日になると語り、事実上マッチマー会派がプラチャイ党首を見捨て独自の判断で動いていく事を強く示唆した。

 マッチマーティパッタイ党の当選見込み者7人の内、5人がパラン・プラチャーチョン党との連立に柔軟姿勢を示していると見られる旧タイ・ラック・タイ党ナム・ヨム派閥系のマッチマー会派のメンバーで、残りの2人が反タクシン派を中心としたプラチャイ党首系の会派メンバーと見られている。

 また、プラチャイ党首は、資金力目当てにソムサック・テープスティン氏等にいいように利用された上で、見捨てられた姿から一部のマスコミから使い捨てのATMと揶揄されていた。

 一方、落選が確実視されているプラチャイ党首側は27日、党首を辞任する考えが無いことを確認した上で28日に招集する党幹部会議では、連立参画に向けた党の方針を決定する他、同党首の解任を求める運動を党内で展開している元マッチマー党党首のタナポン・シーヤーグン氏を党登記責任者から解任する決定を行う方針である事を明らかにした。尚、タナポン氏を副党首から解任する方針は無いとのこと。

 同党首によると、既にパラン・プラチャーチョン党及び民主党の両党から2つの閣僚ポストのオファーが伴った連立への参画の打診を受けているという。
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検事総局、前首相がタイに足を踏み入れ次第容赦なく逮捕状を執行

 検事総局は27日、国有地不正収容疑惑で逮捕状が発行されているタクシン前首相がタイに足を踏み入れ次第容赦なく逮捕状を執行する方針を再確認した。

 先にタクシン前首相は、自らに持たれている不正疑惑と戦うために新政権が発足する2月から4月の間にタイに帰国する意向を明らかにしていた。

 検事総局側は、パラン・プラチャーチョン党による政権奪取がタクシン前首相の不正疑惑追及に影響を与え得ないとした上で、同前首相がタイに帰国次第既に発行されている逮捕状が執行される事になるとの考えを示した。

 また、前後してチャーンチャイ法務大臣もタクシン前首相が帰国次第逮捕され得るとの考えを示しすと共に、その場合には同前首相に仮釈放を申請する余地があるとの考えを示した。
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2007年12月27日

前首相の義弟が第二の首相候補、悪名高いチャルゥム氏が内相

 26日19:00過ぎのネーション・チャンネルのニュース番組及び27日付けのネーション紙が、パラン・プラチャーチョン党がサマック党首の内閣就任資格が欠格しているケースを想定し法務大臣候補として名前が挙がっているタクシン前首相の義弟で元法務省次官のソムチャーイ・ウォンサワット氏を第二の首相候補として調整を進めていると報じている。

 これは、サマック党首が名誉毀損で2年の実刑判決を受けていることが内閣就任資格の欠格要件になると指摘されている事を受けた動き。

 また、軍への影響力の確保を視野にクーデター発生当時の国軍司令官で国家安全保障評議会最高顧問を務めた事もあるルゥアンロート・マハースラノン大将を防衛大臣、スラポン幹事長を公共保健大臣、タクシン前首相の法律顧問としても知られるノパドン・パッタマ氏を教育大臣、元オーソーモートー社会長のミンクワン・サンスワン氏を副首相ないしは商務大臣の何れかに据える方向で調整を行っていると報じている他、通貨危機時代に当時経済担当副首相だったタクシン前首相と共に半ば職務放棄的に財務大臣の職を投げ捨てていた事でも知られるタノーン・ピッタヤ氏が財務大臣に返り咲き、更に悪名高いチャルゥム・ユーバムルン警察大尉を内務大臣、タイを代表する灰色政治家一族の長でネーウィン・チットチョープ氏の実父でもあるチャイ・チットチョープ氏を下院議会議長に据える方向で動いているという。

 チャルゥム・ユーバムルン警察大尉は、警察官殺人事件で指名手配された三男の長期間にわたる国外逃亡を許し、また応召証書を偽造して長男と二男を警察官僚に据えた他、何れも副内務大臣だったチャーッチャーイ政権及びチャワリット政権時代にマスコミへの報道介入に関与した人物として知られ、またチャイ・チットチョープ氏はブリラムを中心にカンボジアとの国境地帯に強大な利権を持ち、更にタクシン政権時代にネーウィン氏とタクシン前首相との急接近によりチェンマイ県内でも公共事業関連を中心とした利権を得たとされるチットチョープ一族の長で、息子の一人は2000年に発生した検事長暗殺未遂事件を首謀した容疑で指名手配され現在カンボジア領内に潜伏中であるとされている。

* 最近の言動を見ていると、ネーウィンと同じくタクシン嫌いだったチャルゥムがネーウィンに代わるタクシンの第二のポチになりそうな雰囲気です。
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パラン党、1月4日に新政権の組織を公式に発表

 総選挙で第一党となったパラン・プラチャーチョン党は26日、1月4日に公式に新政権の組織を発表する予定であることを明らかにした。サマック党首が発表を行う。

 先立つ1月3日には、選挙委員会による最終非公式集計結果が発表される見通しになっている。

 パラン・プラチャーチョン党は26日朝、既にルゥアム・ヂャイ・タイ・チャート・パッタナー党、マッチマーティパッタイ党及びプラチャラート党の下位3党が連立への参画に合意し、政権の組織に必要な254議席を議会内に確保した事を明らかにした上で、引き続きチャート・タイ党及びプゥア・ペーンディン党に連立への参画を呼びかけている事を明らかにしていた。
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