2009年11月30日

ネーション包囲の現赤服幹部を含む旧親タクシン派幹部に2年の実刑

 バンコク南地区刑事裁判所は30日、2006年3月30日に発生した当時の親タクシン派団体によるネーション社の包囲事件に関与したとして起訴された、6人の幹部に対して2年の禁固を命じる実刑判決を下した。

 問題の事件は、2006年4月2日の総選挙を控え民主主義市民連合を中心とした反タクシン派と親タクシン派の対立が頂点に達していた同年3月30日に北部・東北部の貧困農家を中心とした貧困者キャラバンやチンナワット・ハーブンパート氏が主宰するタクシー運転手団体等が、連合幹部のソンティ・リムトーングン氏の「不敬罪」に該当するインタビュー発言を掲載したコム・チャット・ルゥク紙の休刊等を求めてネーション社の社屋を包囲し、ビル内にいた社員等を軟禁状態に置き、結果としてコム・チャット・ルゥク紙を3日間に渡る発行中止に追い込んだというもので、包囲活動が展開されていた際に近くのガソリンスタンド内で当時首相府大臣だったネーウィン・チットチョープ氏のものと思われるワンボックスカーが目撃された事でも話題になった。

 裁判所側は、人権侵害、法の許容範囲を逸脱した不法集会活動で6人の被告に対して3年の禁固及び180バーツの罰金の支払いを命じる法定刑に対して、被告の証言が裁判の進行に貢献した事を情状酌量し6人の被告に対して2年の禁固を命じると共に4人の被告に対して180バーツ、残る2人の被告に対して120バーツの罰金の支払いを命じる判決を下した。

 尚、6人の被告は控訴の為に1人あたり10万バーツの保釈金で即日保釈されている。

* 当時のネーション社のグループエディターだったテープチャイ・ヨーン氏とコム・チャット・ルゥク紙編集長はその後TPBSに転出。因みに現TPBSの報道局長はタクシン政権末期にスワンナプーム空港滑走路穴あき問題を暴露し、その後解任された元バンコクポスト紙の編集長。

posted by Jean T. at 17:51| バンコク | 政治経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする