コンサック暫定国務大臣は21日朝、タクシン暫定首相に対する暗殺計画に関する情報を得ている事を認めた上で、現状ではまだ情報当局筋から情報の信憑性に関する確認が取れておらず、単なるデマの可能性もあることから、タクシン暫定首相に対する身辺警護体制の強化に関しては、既にVIPレベルの警護体制を強いていることから、現状では必要は無いとの認識を示しました。
この発言に先立ち、21日付け一部紙面が"タイ・ラック・タイ党"幹部のファイロート・スワンナチャウィー少尉の発言として、タクシン暫定首相を政界から追い出すために超法規的な方法で同暫定首相を抹殺する企てがあると報じていましが、ファイロート少尉の発言が、反タクシン系団体の活動継続宣言及び反タクシン派とタクシン支持派が衝突した直後に為されていることから、タイ・ラック・タイ党側が反タクシン派団体に対して謀略を図るために、意図的に暗殺計画の噂を流したとの穿った見方もされています。
一方、コンサック暫定国務大臣は、民主主義市民連合や傘下のタクシン体制打倒市民ネットワーク側が今後もタクシン体制打倒を目指して活動を継続させる方針を明らかにしている事に関しては、常にルールを尊重している政府と同様に、反タクシン体制を標榜する団体側もルールを尊重して活動を行えば、お互いに(衝突等の)問題を引き起こすことは無いとの認識を示していました。
首相官邸付きの記者団のレポートによると、この暗殺計画の情報の影響なのか、インタビューする為に記者団が首相を待ち受ける場所が出入り禁止になっていたり、官邸周辺の警備車両の台数が増えているのが確認されているようです。因みに、躁鬱病の気があるタクシン暫定首相は、21日は躁状態にあったのか、タイ・ラック・タイ党本部前で待ち受けていた記者団のインタビューを避けるために、お茶目な表情を浮かべながら走って逃げ去ろうとする場面も見られたようですが、結局、ナーン県やチァン・ラーイ県を襲っている洪水被害に関する取材にのみ応じ、そそくさと本部ビル内に入っていったようです。
尚、前後して公安警察側が、19日にパラゴン内で反タクシン派とタクシン支持派との衝突が発生して以来、警護要員を約100人増強した事を明らかにしていました。