アピシット民主党党首は23日、これまでのケースを見る限りは暴力的な手段に訴えたタクシン支持派関係者に対して殆ど法的な責任が問われていないと指摘した上で、最悪の事態を避け、また国民に安心感をお垂らすためにも、当局側は最高法規である憲法の精神に則り衝突に関与した者に対してタクシン支持派、反タクシン派関係なく厳格に法を執行するべきであると指摘しました。
更にアピシット党首は、暴力的な手段に訴えるタクシン支持派関係者の多くが、過去に発生した両派衝突の場面で姿が目撃されていたと指摘した上で、仮にその様な関係者が活動の場に現れていなかったら、衝突の事態に至ることはなく、憲法及び民主主義の精神に則った活動が両派間で展開されていたはずであると指摘していました。
一方、民主党のオンアート報道官は、タクシン支持派と反タクシン派が衝突した際に反タクシン派市民に暴行を振るった私服警察官と見られる二人の男が22日に警察に出頭し、何れも警察とは一切関係なく、単なるタクシン政権が進めてきた政策を支持している者でしかないと警察側が発表している事に関して、これまで公開された映像を見る限りは現場指揮官クラスの警察官に極めて近い関係にある疑いは依然払拭できないとして、警察に対して二人と権力者や大物との関係を含め透明且つ詳細に捜査を進め、事実関係を明確にするべきであると指摘していました。
尚、反タクシン派市民に暴行を振るい、更に現場を指揮していた首都圏警察本部第六分署所属のルッティロン・テープヂャンダー警察大佐と会話を交わしているところが目撃されていた黒い服を着た男ことヂャラン・ヂョンオーン容疑者(43)に関しては、警察側はこれまでの発表でスラーッターニー県内のゴム園経営者で警察とは一切無関係であると主張していますが、一部報道によると、過去にスラーッターニー県内でゴム農園内の作業に関係し、その後地元のマフィア組織に属し主に闇経済関係に関与すると共に、ナコン・シー・タンマラート県内で発生した県評議会議員殺害事件に関与し、更にその後スラーッターニー県第二選挙区から出馬したタイ・ラック・タイ党擁立候補の票の取りまとめ役を務めた際に、同容疑者がマフィア時代から培ってきた腕力に目をつけた地元に影響力を持つ陸軍将校クラスの大物によりタクシン暫定首相のボディーガードとしてバンコクに送り込まれ、主に同暫定首相の立ち寄り先の前線部分に於ける警戒・護衛任務に就いていたとの指摘もあるようです。