・11日10:30前、ナラーティワート県県都内で、自動車で路上を走行中だった同県ランゲ郡内在住の54歳(報道により45歳)の村長が、小型トラックに乗った人数不明の一味に銃撃され村長が死亡し、同乗していたタムボン行政機構副評議会副議長及び同評議員の2人が軽傷。(報道により副議長は現場から逃げ出し難を逃れた)死亡した村長は1ヶ月前に就任。
・11日11:30前、ナラーティワート県ランゲ郡内で、小型トラックに乗った6人前後と見られる一味が、村道の入り口に設けられていた検問所に向け小型榴弾を投げ込むと共に銃を乱射し、任務中だった警察官2人が死亡。実行グループは、死亡した警察官の制服にガソリンを撒き火を放つと共に拳銃等を盗み逃走。
・11日夕方前、ヤッラー県スンガイ・ゴーロック郡内で、バイクの二人乗りで路上を走行中だった、ラーチャパット大学ヤッラー校に通う男生とその友人(何れもイスラム教徒)が、バイクに乗った二人組に銃撃され男性が死亡し友人が負傷。男性等は、礼拝を終え帰宅の途上だった。
・スラユット首相は11日、融和策を放棄し厳格な手段で南部対策に乗り出すべきであるとの声があがっている事に関して、厳格な手段は使い方を誤れば地域内の対立を激化させ解決の糸口を見失う結果に繋がる恐れがあるとの認識を示した上で、あらためて融和策を基本においた対策に注力する方針を再確認。また、国家安全保障評議会のソンティ議長は、地元の宗教指導者や地域の指導者の協力の元で住民との理解の共有に努めると共に、住民の力を結集して解決に臨む事が重要であるとの認識をあらためて示す。
・2004年から現在までに南部に於ける一連の不穏な動きに関与した者の内、これまでに2005年3月28日に発生した警察官銃撃事件、2004年11月6日に発生した仏教系住民銃撃事件、2005年3月27日に発生した鉄道路線の警戒作業中だった当局関係車両を狙った爆破事件、2004年3月12日に発生した仏教系住民銃撃事件に関与し起訴された4人の被告に対して死刑判決が下されていた事が明らかに。
・ヤッラー県バンナンサター郡タリンチャン地区のタムボン行政機構評議会議長(イスラム教徒)は11日、同郡内で2日から10日まで行われていた幹線を封鎖した座り込み抗議活動により不便な生活を強いられたイスラム系住民の間で、座り込み抗議活動に対する不満が募っており、既に地区内13のコミュニティーの内12のコミュニティーが座り込み抗議活動を展開していた住民を排除した当局側の対応を支持し全面的に協力する姿勢を示している事を明らかに。尚、残されたコミュニティーは、依然一味側の影響下にあり早急な対策が必要であるとのこと。
・タクシン前首相爆殺未遂疑惑事件の際に更迭され、10日付けで国内治安維持作戦司令本部顧問として現場復帰したワンロップ・ピンマニー大将は11日、12日からの南部訪問に先立って現在の南部の情勢は、アフガニスタンの聖戦を模してあらゆる手段を講じゲリラ戦を仕掛けている分離主義組織に対して当局側が不利な状況におかれているとの認識を示す。また、グルーセモスク事件発生時の現場指揮官だった事でも知られるワンロップ大将は、現在南部国境三県域内の300の村が事実上分離主義組織側の支配下にある、ないしはシンパ住民が多いとされる危険ゾーン(赤色指定地区)として認定されている事を明らかに。
* 安全保障当局幹部の口からゲリラ戦(ソンクラーム・ゴーンヂョーン)という言葉を使用して情勢の説明がされるのは今回が初めてだと思います。