憲法裁判所は30日夜、タイ・ラック・タイ党、ペーンディーン・タイ党及びパタナ・チャート・タイ党に対する解党の是非に関する判決文の中で、20%ルールにより選挙が無効になる事をおそれたタイ・ラック・タイ党幹部のタンマラック・イサラーングーン・ナ・アユッタヤー大将及びポンサック・ラクタポンパイサーン氏がパタナー・チャート・タイ党を買収しタイ・ラック・タイ党の単独候補者選挙区になる恐れがある選挙区に候補者を送り込むよう働きかけると共に、パタナー・チャート・タイ党と共謀して候補者資格要件を満たさない同党の擁立予定候補者の党員データの改ざんを選挙委員会に働きかけたと認定。
その際、タンマラック大将は買収への己の関与を隠匿する為に、政治家ではないトライロン・イントラタット大将を買収資金の受け渡し役に指名したと指摘。
更に、パタナ・チャート・タイ党のカッティマー女史が、民主党のステープ幹事長に軟禁状態に置かれた上でタイ・ラック・タイ党による党買収を告発するよう強要されたと主張した上で、実際には党の買収や資格要件の改ざんは無かったと主張している事に関しては、同党がタイ・ラック・タイ党から買収されていた事から一貫性に欠ける証言であるとして却下。
また、ペーンディーン・タイ党に関しては、資格要件を満たすために偽造した書類を使用して3人の候補者を擁立したと認定し、3党何れにも民主主義制度を脅かす重大な違法行為があったと認定した上で、タイ・ラック・タイ党及び小政党二党に対して解党命令を下すと共に各党の(当時の)党首及び幹部は連帯して解党の責任を負うべきであるとの判決を下した。
この判決を受け、タクシン前首相や既に党を離党している者を含む当時のタイ・ラック・タイ党幹部118人(報道により111人、119人)が向こう5年間に渡って被選挙権を剥奪される事になる。 また、対象者には新党結党に動いているソムサック・テープスティン氏やソムキット・ヂャートゥシピタック氏等も含まれる。
参考
http://www.nationchannel.com/xnews/index.php?news_id=7447
(ビデオ/タイ・ラック・タイ党の歴史)
憲法裁、4月2日の総選挙を無効と判断
小政党買収に関与したタイ・ラック・タイ党幹部
刑事裁判所、選挙委委員3人に4年の実刑判決
前選挙委員会委員、小政党買収疑惑に対する職務遂行義務違反でも有罪判決
(タイ時間 23:30掲載 23:45更新)