スラユット首相は29日、12月23日に行われる予定の総選挙の際に120人規模の選挙監視団を送り込む意向を示しているヨーロッパ連合に対して、覚え書きを交わした上での選挙監視団の受け入れを拒否する決定をした選挙委員会側の判断を支持する意向を表明した。
これは、選挙委員会のアピチャート委員長が同日午前、選挙監視団の受け入れを覚え書きという形で認める事は、国家主権そのものをEU側に明け渡す事に等しく、また、EUに対して既に総選挙を幾度もなく経験している第三国に対する圧力手段として選挙監視団を送り込む前例を与える事に繋がり得るとして、覚え書きの締結による選挙監視団の受け入れを拒否する意向を表明していた。
尚、この意向表明に先立ってスラユット首相や外務省関係者と選挙監視団の受け入れの是非について協議が行われていた。
スラユット首相は発言の中で、選挙監視団を公式に受け入れる事は超法規的に他国に選挙を実施する権利を委譲する事に等しいと指摘した上で、タイは独立国家として充分に公正な総選挙を実施できると語った。
尚、9月7日に在バンコクのEU大使と選挙委員会の間で行われる予定になっている選挙監視団受け入れの是非を巡る協議の際に、反クーデター・早期民主選挙実施の立場を取っているEU側の覚え書きに基づかない任意での選挙監視団派遣受け入れの要請を選挙委員会側が受け入れると見られ、またスラユット首相も任意での監視団の派遣を歓迎する意向を表明している。